10月となれば、街中にハロウインのお化けカボチャ・仮装衣装が溢れている。
「ハロウインは、何のお祭りなの?」と聞いても、答えられる人が少ない。
「じゃ、祭日はいつなの?」・「なぜカボチャなの」といっても首をかしげるだけ。
何とも、何とも、日本的な曖昧さである。
海外から入ってくるものを、何でも受け入れてしまうのが、日本の「雑種文化」だといった人がいたけれど、商業主義が優先しても、最低の知識は持っていたい。
ハロウィンの発祥と背景文化を探る。
①ハロウインの発祥は、古代ケルトであるといわれている。
ケルトといっても、馴染みがない人が多いだろう。
独特な「エンヤの音楽」や、足だけで激しく踊る「リバーダンス」のルーツだといえば、理解する人が多いだろう。
魅力的な妖精や、ムーミン童話なども、ケルトの流れだといっていい。
②ブリテン諸島のアイルランド・スコットランド・ウエールズやフランスのブルターニュ地方・スペインには、ケルト語・民族の伝統がたくさん残っているという。
実際に、古いヨーロッパ大陸はケルト民族が支配するところだった。
彼らは、激しくローマと対立する勢力を持っていたが、統一国家を作ることなく、部族が分散し、ゲルマン人と混血したり、一部はアイルランド島などに追い込められたりしてしまった。
しかし、現在もなお、各地で美術・工芸でケルト系に触れることは多い。
カエサルの「ガリア戦記」は、ケルト社会を知る貴重な文献である。
③ハロウイン(Halloween)は、ケルト人の祭りである。
夏から冬への季節の変わり目の「悪魔払いの祭り」である。
キリスト教は、宣教にあたり、ケルト人が持っていた伝統的な祭りを、カトリック教会の万聖節(11月1日)の前夜(Hallows Eve)にあたるというので受け入れた。
これが訛って、Halloweenになったという。
その後、アイルランドからアメリカ大陸に移住した人々が、野菜の蕪(カブ)から、アメリカ産のカボチャに代えてくりぬきを作った。
また子供たちが仮装したりして、近所の人に菓子をもらいに歩く、というようなハロウイン行事を継承したといわれている。
ハロウィンの拡がりと日本の雑種文化
①今、ディズニーランドは、ハロウインの仮装イベントで華やかである。
もともと、創始者のウオルト・ディズニーは、アイルランドからの移民の子孫だから、この祭りを承知していて、イベント事業に採用したのだろう。ケルトの祭りは10月31日だから、ハロウインの祭日はこの日である。
ディズニーランドの仮装行事について私は知らない。
しかし、この仮装大会は、日本文化に大きな影響を与えている。
広報・宣伝効果が大きいのである。
②評論家の加藤周一氏は、昔から海外の文化を受け入れる日本を「雑種文化」と評した。
日本の基層文化を考えると、強い主張や、宗教的な拘りが少ない「日本人の曖昧さ」が、本来の意味を問うこともなくハロウインを受け入れていると私は思っている。
ケルトでも、キリスト教でも、イベントの影響でも、何事も抵抗なく受容してしまう日本人は、こだわりの深い外国人には、不思議に見えるだろう。
③我が家の玄関にも「お化けカボチャ」がある。
壁には、何年も前から、女房が製作したハロウインのタペストリーが飾られている。
しかし、チェストの上には、故人と現在の家族の写真、蝋燭と線香立てと、よく響く小さな鐘がある。
おまけに、孫の合格祈願の「お札」も飾られている。
まさに我が家も「雑種」を通り越して、節操なく「文化の雑多」である。私も女房も、これを不思議とも思わないのが、また不思議である。(笑)
個別指導塾LEADEST
顧問 安達昌二
個別指導塾LEADESTは、
2016年10月22日(土)に開催される中央林間ハロウィンフェスティバルに参加します。
(写真は昨年のもの)
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