2020年「新テスト」への対策は怠りなく!
私は、7月~9月にかけて、
2020年に実施される「新テスト」と新しい「学習指導要領」の2つについて、集中的に学習会を主催して来ました。
というのは、朝日新聞の8月19日・20日にあるように「文科省の迷走」が、児童・生徒に及ぼす影響がとてつもなく大きいからです。
2020年といえば、現在の中学2年生が該当します。
東京オリンピックが開催される年ですね。
この辺りは、どうも政府は狙っていますね(笑)。
その前後から「変化の波」が被さってきますから、当然、いまの中学生の保護者は、この波を理解し、主体的に迎え撃つ姿勢が重要になります。
これは、私の孫娘も該当する話ですから、評論家で済ますことができないわけです。
お気楽極楽に済ませている方は、ここで「耳を澄ませる必要」があります。
子どもたちを「置いてきぼり」にしない行動を
現在、検討されている2020年の大学入試の「新テスト」の実施には、ものすごく無理があります。
しかし、すでに「大臣決済」がすんでいるので、文科省の官僚たちは、シャカリキに「スケジュール」にそって、実施の方向で走っています。
だから、「危うさを指摘」するだけに留めず、私たちは「実施と未実施」の両面から、情報を集め、対策を講じる必要があります。
残念なことですが、私が知る限り、保護者だけでなく、学校の多くの先生方の意識も行動も、「課題」から程遠いところにあります。
もっと「現場からの発言」をしなければ、当事者である子供たちが「置いてきぼり」になってしまいます。
困ったことです。
大学入試改革の実施にあたっては、どんなに文科省が主導するといっても、国立大学協会や高校の学校現場の状況を無視することはできません。
「実施時期の問題」
「採点のスタッフ確保の問題」
「合問題とか融合問題」
「理念にそった作問」
「受験機会を複数回にする問題」
など、多岐に渡ります。
例えば、受験会場です。
学校以外の場所で、平等性を担保することができるところはありません。
CBTを利用するならできますが、そこまで開発が進んでいるとは思えないからです。
だから、問題を解決するためには、行政と学校(大学・高校)の協力が前提になりますから、この一つ一つの課題が、しっかり解決されないまま、2020年に突入するとなると、迷惑を被るのは生徒たちです。
それ以上に、これを実施したら全国の公立学校の「教科カリキュラム」や「部活動のスケジュール」も全部見直さなくてはならなくなるのです。
しかし中学・高校の部活指導をしている先生方の声が聞こえてこないのは、何とも不思議な話です。
つまり、情報不足を含めて、学校の多くの先生方は、「他所事」のように傍観していることが多いのですね。
私はここに「危機感」を痛感しています。
そこで、私は先生方と一緒に集中的に「学習会」を開いているのです。
すでに入試でも変化が現れている!?
首都圏の私立中高一貫校の多くは、この「危機」を主体的に捉え、すでに対策を講じている学校が多いです。
むしろ「ビジネスチャンス」と積極的に捉えているところが多いです。
例えば、一昨年あたりから、入試の作問の中に「変化」を取り入れて、生徒募集でアピールしている学校が目立ちます。
しかし、公立の学校では、県教委・市教委の指導が進まないので、「日和見的な姿勢」でいるところが多いですね。
「採点ミス」を防ぐ名目で、東京都も、神奈川県も「マーク式」のテストに変更しますね。
これは、大学入試センター試験に「記述式」を採用しようという流れと「真逆」です。
何とも不思議な話です。
困るのは「現在の中学生の諸君です」ね。
はっきりと「学力格差」が生まれますし、それがやがて「経済的な格差」を産みだすことが、目に見えていますから・・・。
すべてとは言いませんが、これでは公立学校に通学している生徒はたまったものじゃありません。
読者のみなさんも、「この流れ」を客観的に理解することをお勧めします。
大学入試改革案の実態とは!?
では、下記の図を見てください。
これは、当初に出された「改革案の一部」です。
<注意したいこと>
(1)大学入試センター試験は、50万に以上の人が受験する巨大なテストです。
このテストを改訂するものとして、当初は「基礎テスト」と「希望者テスト」がリンクして語論されていました。
図表では、重なっている部分が重要です。
(2)諸般の事情により、「基礎テスト」は、2023年まで大学入試には使わないということになったので「リンクが消え」ました。
しかし、全国で10数校が選抜されて、今年はプレテストが実施されるそうです。
(3)「希望者テスト」のたたき台(例)は、すでに発表されています。
良くできた問題ですが、毎年、このレベルの問題を出題することは無理でしょう。
これを複数回実施するとか、「答えが2つ以上ある問題」を作るとか、表現力をみるための「記述式」を採用するとか、CBTやIRTを使うといわれてきました。
しかし、この実施には「沢山の疑問符」が投げかけられているのが現状ですね。
(4)この他に、「大学別の個別試験」(2次試験)をやるというのですから、これが、文科省にいう「100年に1回の改革」になるのです。
大学別2次試験では、学力テストを行わないとい方針でしたが、国公立大学が了解しませんでした。大学側の関心は、こちら側にありますからね。
(5)2次試験では、「面接や小論文」を課す大学も出てくることが予想されますから、今後どのようになっていくか目を話すことができません。
学習指導要領はどうなる!?
新しい「学習指導要領」を文科省のHPで見た人がいると思います。
余りにも「緻密にバッチリできている」ことに驚いたことでしょう。
幼稚園から高校まで、見事なまでに系列化されて、事細かに文科省の指示事項がかかれています。凄い力量ですが・・・
「いったいこれを誰がやるのだろうか!」
県教育委員会・市教育委員会は、文科省の指示に従って「伝達講習」をやるでしょうが、学校現場の教師たちが、この内容を理解し、指導に役立てることは至難でしょう。
「質」・「量」ともに、ものすごい「重さ」ですからね。(苦笑)
私が恐れているのは、現実的でないプランは「やがて無視され、放棄されてしまう」ということです。
現実から離れた「理念先行」は危険です。
これは、私の経験から言っているだけですが・・・、
新しい学習指導要領で危惧されることは、中学校は勿論のこと、小学校に至っては、「どれもやりきれるはずがない」ということです。
ましてや、小学校5年生から「英語」の授業が行われるというのですから、公立の小中学校の先生方は「どうするんだろう?」
こうなると、塾・予備校の出番にならざるを得なくなります・・・。
「では、保護者としてどのようなことに注意したらよいか」
「このような渦の中に、幼い子供を放りだしたら、どうなってしまうか」
「何とか、この変化に対応することができる方法はないか」
私にも、そのような声がたくさん寄せられるので、静岡を中心に「勉強会」をやっているのですが、どんなに「見切り発車する」といっても、何をどうしたらよいか。
受け身の立場からは、どうしたらよいか。困ったことです。
LEADESTの講師と共有した5つのこと
そこで、先日行った「LEADESTの学習会」では
次の5点を中心に話しあいを行い、これからも定期的に講師たちと勉強会を開催しようと思っています。
何と言っても先生・講師という指導者のレベルアップが基本ですからね。
講師の教科研修を怠っている塾は発展しません。
①「読解力」をつける指導を強化すること
段階に応じた読解は基本です。しっかり文章を読みこなす訓練すること
②英語でも「読んで理解する力」「英語で書く力」が基本である
中学生には「基礎的な文法」の指導を怠らないこと。早く英検3級を取らせる
③しっかりと「計算力」をつける指導をすること
特に、計算する「スピードと正確さ」を重視する指導を行うこと
④社会的なことや理科的なことについて、話しあう時間を確保すること
特に、異常気象や政治経済の激変の時代だから、興味・関心の幅を広げること
⑤理解した内容を「文章に置き直す力」をつけること
メモする習慣をつけること。頭でまとまったら文字にする練習を繰り返させる
LEADESTでの研修会の様子
今、気をつけてほしいこと
私立中高一貫校に比べて、公立学校の授業時間が絶対量として足りません。
生徒の能力の差ではなく、「演習量」の差が大きいのです。
だから、どこかで、自学自習でも補習授業でも「足りない部分」を補う必要があります。
LEADESTでは「習熟度に応じた復習」を中心に指導に留意するように、講師たちに助言しています。
2020年を基点として、大学入試も学習指導要領も「確実に」動きます。
これから、どのように着地するか不明で「曖昧の部分」がありますから、私も折をみてLEADESTから発信を継続します。
こうした「変化」が、中学生の人生に深く関わってきますから、受け身にならず積極的な姿勢でご子弟の育成にご努力されますように願っています。
個別指導塾LEADEST 顧問 安達昌二
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