液状化する個人はどこに行く?

なに・・・?大学受験が近づいてたので、大手予備校に転籍するの?

個別指導塾では不安だから、大学受験に詳しい予備校に行くんだって???

なんとまあ、思い過ごしが大きいことか!

組織が持つ受験ノウハウに「差」はないよ!メンタルと思い過ごしの方が危険だよ!

 

受験が近くなって、受験生の「液状化」とは、こういうことを指すのですね。

 

「自信がない。不安である」

 

だから、少しでも受験に詳しそうな「ペグ(止まり木)」を求めて動く。

 

まあ、そんな心境がわからなくはないですが・・・。

慌ててはいけません。

本人と指導者の受験に対する「姿勢」をしっかり確立することを最優先にしましょう。

高校2年生の秋から「不安定」になりますね。

注意しましょう。

 

メッセージで「百日戦争」のことを書きました。

再確認してください。

<Message7>「100日戦争突入!3段階戦略で合格を勝ち取れ!」

基本は、これでいい尽くしています。

 

変わりゆく「家族」のカタチ

パウマンという人が書いた『リキッド・モダニティ』という本は、液状化(リキッド化)した『個人』が、現代社会を動かす『単位』になった」と主張しています。

 

・・・いうのは、国家も地域も頼ることができなくなった。

 

個人が液状化してしまった。

 

さらに、最後に頼りとする家族も、夫婦関係も、姉妹・友人関係さえ液状化し、一人ひとりが「孤立」し、どこにいったらよいのかわからない。

 

そこで、自分の「止まり木(ペグ)を求めてさまよう存在」になったという「現代の特色だ」というのです。

 

そのような観点から「家族」を見る・・・。

 

なるほど、私が昔に知っていた家族の形態とは変わりましたね。

 

祖父母という同居人がいない「核家族」が普通になった。

結婚しない人が当たり前、それぞれの関係が自由でくっついたり、離れたりする。

安定した関係はない。

身近でも離婚・再婚・再再婚が珍しくなりました。

「熟年離婚」までありますからね。

 

こんな家庭崩壊をテーマにして、大学入試問題が作られることが多くなりました。

新テストのモデル問題も、似たようなテーマを掘り下げて、設問を作っていますね。

 

今年も、どこかの大学で確実に出題されるでしょう。

事前準備を怠りなく!!

 

社会を動かす単位は「個人」となった

 一生、同じ「会社」で働くといういう考えも希薄になりましたね。

 

一流メーカーの社員も転職を考えている人が多いですね。

 

雇用形態も、社員・準社員・契約社員・派遣社員・アルバイトと何種類にも別れ、懇親会への誘いの仕方も難しくなりました。

気楽に「飲み会」へ誘ったら「これ強制ですか?」という返事が来たことがあります。

唖然としましたね。

 

個人が、「ひと塊」で結びついていた共同体が、後方に退いてしまったのです。

どんなに親しくなっても、すぐに別れてしまう。

それを何とも思わない。

 

卓上電話を置かない企業が増えて、携帯のパーソナル対応になったところも多いですね。

 

つまり「液状化した個人」が、社会を動かす単位になったということです。

 

選挙でいえば、固定票ではなく「浮動票」が決定力を持つということです。

 

大学入試のテーマに「働き方」が出題されるかもしれませんね。

社会を「複眼」で見る習慣をつけておくことが重要です。

目先の受験に振り回される前に・・・。

 

パウマンはポーランド生まれのユダヤ人ですから、戦争に巻き込まれ、旧ソ連・イスラエル・カナダ・アメリカ・イギリスなど、多くの国で生活することを余儀なくされた人です。

 

だから、リキッド化(液状化)した社会について、厳しい目を持つのは当然だと思っていましたが、彼の『リキッド・モダニティ』という本は、半世紀も前に「個人が中心になる社会」のことを予言していたのです。

 

液状化とは、一番遠いと思われた「日本」の社会が、どうしようもないほどの液状化の現象になり、大都会も地方も変わらなくなったしまった。

 

こんなことは予想できなかったですね。

地域社会は、過疎化が深刻で、防災訓練くらいしかヨコのつながりを持てなくなりました。特にマンションや団地に住む人は「隣の人」への関心が希薄ですね。

 

全ての基準は「個人」であって、助けあい運動は形がい化しています。

 

だから、入試でも「孤独死」「街づくり」「コミュニケーション」などが出題されるのです。

 

「液状化した個人」が求めるもの

リキッド化した個人は「ペグ・コミュニティ」を求めて集まり、離散していく。

 

「ペグPeg」とは、”杭”・”でっぱり”という意味です。

 

液状化した個人は、ペグになった共同体に、「帽子を引っかけるような存在の仕方」をするとパウマンはいうのです。

 

AKB48のイベントなどに集まり興奮する若者は、「不安定な状態を前提」にしていますね。自分だけのペグを求めて集まり、すぐに離散していく。

 

社会現象ですね。

 

企画者・演出家は、こうした社会現象を計算して利益を得ているのです。

 

イギリスのリースマンは『孤独の群衆』という本で、これまでの伝統や習慣を頼ることができなくなった人間は、社会的な「権威がありそうな人」を頼りにするといっています。

 

実際に「テレビで言っていたから・・・」といって、有名人に影響される大衆が多いですね。

 

著名人の発言を、「あたかも自分が考えたかのように」使ったり、物事の判断基準にしたりして、オシャレに服装を整えたり、化粧したりしている人がいますね。

 

商業主義は、「広告・宣伝力」(CM)が、いかに大きいかを知らせてくれます。

 

自分で考えるより、マスコミで取り上げていたことを尊重する。

だから、企業は商品の販促に、著名人や俳優をCMに使うのですね。

液状化した個人は「他人指向型」の人間でもあるのです。

また、「煽りに弱い」のです。

「オッカケ」が出現する現象です。

 

大学入試についても同じです。

煽られて、自分を見失った人が負けます。

塾・予備校の選択も同じです。

宣伝上手が有利なのです。

 

LEADEST の講師は、ベテランから若手まで多様ですから、テーマに即して積極的に「ペグ」を活かすといいと思います。

大手予備校の受験対策のペグと遜色ないです。

 

私も支援していますが、本当です。

大切なのは、そのノウハウを活かすか活かさないかです。

 

教材指導力と面談力といってもいいです。

 

液状化した「個人」は、ペグを求めてさまようのです。

 

そして、「自分自身がペグである存在」であることを、強く意識して行動しましょう!!

それが、パウマンを超える現代人のあり方です。