北朝鮮は困ったものですね

北朝鮮の「挑発」は困ったものですね。

 

このままでは戦争になってしまう。

 

それも「核戦争」になる危険性がいっぱいですから、本当に困ったものです。

私は 直接的に、政治に関することに触れることを避けてきましたが、今や、そういっていられない事態ですね。

世界と日本への影響

この問題の深刻なところは、トランプ大統領と、金正恩委員長の「ボタンの押し違い」で、世界中が戦争に巻き込まれる危険性があることです。

 

旧ソ連が国家として崩壊した時に怖れていたことは、「核の開発技術が世界に拡散する」ことでした。

それが人類の滅亡に向かって走るきっかけになるからです。

SF小説や、映画の007・漫画のゴルゴ13の世界が、現実問題になったという恐怖です。

 

戦いを避けるために、「北朝鮮に核を保有することを認める」とどうなるか。

日本は、核の脅威の下にさらされ、脅しの下で生活を強いられることになります。

 

アメリカ・中国・ロシアという大国の「取引」が成立することによって、「核保有国:北朝鮮」が、国際秩序の中に位置づけされることは、日本にとって絶対に避けなければならないことです。

が、これまでの国際政治の動向をみると、アメリカは、「アメリカ本土が保全させる」という取引で、この問題の収束を図ることを考えるかもしれません。

選択肢の一つですが。

 

絶対に「核を拡散させない」という国際的体制が崩壊すれば、現在、公式・非公式でも核兵器を持っていると思われるパキスタン・インド・イスラエル、シリア・イランその他の国々が、核を武器として新しい国際秩序の構築に走るでしょう。

 

被爆国日本でも「日本も核を持つべきだ」という世論が拡大するのは必須です。これからは「中距離ミサイル」を持った北朝鮮との交渉以上に、国内でも「平和国家日本のあり方」を議論することは避けられないでしょう。

 

理想と現実の間で、読者の皆さんはどのように考えますか?

 

アメリカと北朝鮮が開戦する。・・・となると、アメリカは、韓国にいるアメリカ人(20万以上といわれる)を退避させる行動に出るでしょう。

 

民間人の避難は必須ですからね。

この「兆候」があったら、危険です。

 

しかし、戦争状態に陥れば、「被害は膨大」になりますし、特に韓国経済は崩壊し、世界経済は莫大な被害を受けるでしょう。

 

ましてや、日本で暮らす私たちは、無傷でいられるはずがありません。

生命を犯される危険性を含めて、実に困ったことです。

 

 

 

サミュエル・ハンチントンが「文明の衝突」の中で言っていることを思いだしてみましょう。

 

彼は、旧ソ連という国家が崩壊して、「これで世界は平和になる。再び東西冷戦のような戦争はなくなる」と主張した日系の論客フクシマに対して、「いままでのような戦争はなくなっても『異なる文明の境目』で戦争がおこる」と主張しました。

 

実際にその後の世界を見ると、彼の予言通り、「地域紛争」はなくなるどころか激化し、パレスチナVSイスラエル、IS、中国VSチベット・ウイグル、最近ではグルドに民族問題などの問題が深刻化しています。

 

その上「世界の警察」であるアメリカにトランプ大統領が登場し、再び世界秩序の再構築を主張しています。

 

いまや世界は、バラバラになっていますね。

 

このラインで現在をみると、北朝鮮問題は、地域紛争を超えて、世界秩序に衝撃を与えていますね。

 

北朝鮮を挟んで、アメリカVS中国、アメリカVSロシアです。

北朝鮮の背後に、「アメリカの功利主義」とは「異なる価値観」を持つ国家が、世界の覇権を狙って戦いを展開しています。

 

例えば、北朝鮮への石油などの輸出や援助をみれば、簡単に理解することができます。

 

もし・・・国家としての北朝鮮がなくなり、中国やロシアの国境まで、アメリカ軍が駐留する事態になれば、地域紛争のレベルでは済まされないでしょう。

 

日本は、アメリカと同盟関係にありますね。混乱から、逃げ切ることはできないですね。

 

南京にいる知人が、日頃、親日的である中国人が、「盧溝橋事件」のサイレンが鳴り響くと同時に、「全く異なる表情に変わる」と伝えてきました。

 

日本の高校生は、盧溝橋事件を年代すら意識していませんね。

1937年の日中戦争の発端になった事件です。

「この格差」こそ大問題なのですが・・・。

 

いま、グルド民族のことが問題になっていますね。

グルド人は山岳民族です。

部族間の争いが激しく「国家」という意識を持たない民族だったので、これを利用したイギリス・フランス・ロシアが、「サンクト・ピコ条約」で「国境」を恣意的に作ってしまいました。

 

だから、グルド民族は、トルコ・シリア・イラク・イラン・アルジェリアに分割され、少数民族になってしまいました。

 

本来、武闘派の民族ですから激しい気性です。

中世で「第3回十字軍」が遠征してきた時、イングランドの師子心王リチャード1世を撃退し、逆に尊敬されたサラディーンもグルド人でした。

彼が始祖となったのが、アイユーブ朝ですね。

 

しかし、今後グルド人の国家をつくるといっても、紛争は、簡単に収まらないでしょう。

 

大学入試は、「時事ネタ」と深く関係して作られます。

だから、北朝鮮問題から、核融合・核爆発の問題が物理や化学で出題されるでしょう。

また、グルド問題を背景として、少数民族・国家・民則・国境の問題も出題されると考えるとよいでしょう。

 

受験生は意識して勉強しておく必要があります。

 

「思考力」を図る問題として絶好ですからね。

今回は取り上げませんが、憲法改正が問題になっています。

それに関係する基礎知識も持ってください。

 

そのためには、これまで、私が書いてきた「メッセージ13」・「メッセージ26」は役立つと思います。再読してください。