英語のリスニングは、
過去最低の22.67/50である。
なぜできなかったのか。
実は「聞いている音声を踏まえて、応用的に考える問題が出題されていた」からである。
問2・問3などを見ると具体的に理解できるだろう。
言い換えると会話(コミュニケーション)の力を試しているから、これまでのテストのように「聞き取れたらOK」というレベルではないということである。
「聞きながら文章を理解する力」が要求されているからである。
これでは、普段からしっかり「訓練」していなければ得点できない。
学校教育の「聞き取り学習」の範囲では対応できない。
「限られた時間内で音声を聴きながら思考する」
このレベルの出題がこれから多くなるだろう。
英語4技能テストもこの流れである。
これへの対応力をつけるにはどうするか。
「聞き取ったこと書いたり、話したりする学習」が要求されるのだから、これからは「聴きながら思考する力をつける学習訓練」をすることである。
これでは、学校間の格差だけでなく、生徒間格差が大きくなるだろう。
小学校時代からの早期の取り組みが要求される。
英語の筆記では、「文法的知識がないと解けない問題」が多数出題されている点に注意したい。困ったことに公立中学校で「まるで文法を学習していない」この課題を、多くの生徒も保護者は理解していないが、これは深刻である。
「高校に入学したらそれで終わり」と割り切ることは危険である。
この文法の学習・基礎を徹底的にやり直さなければ大学入試に対応できない。
対話文の分量が増えるのは、これからも同じだろう。手遅れにならないように気をつけたい。差がついてからでは遅い。やり直しがきかないからである。
また、英語の「運用能力」が要求されている。
問3以降をみればわかるが、「パラグラフを読み解く力」がなければ問題は解けない。
2020年に向けてのメッセージ
これは、数学・地歴・理科など他の教科と融合する問題で、「大学入試共通テスト」に向けての試行が先取りされていると考えてよい。
私立大学の入試でも、この傾向は同じだろう。
変化に対応できないことがあってはならない。
今回は、地理で「ムーミン」「ニルスの不思議な冒険」というアニメとその舞台がマスコミをにぎわした。
が、これは受験生というより、次代を担う若者たちに、世界に目を向けた「幅広い知識・視野・教養」の大切さを示唆していると受け止めるべきものである。
単発的なバラバラな知識や記憶ではなく、いろいろなことを「総合的に捉える能力」を大切にするということである。
「国家の教育メッセージ」であるから「変化」を主体的に受け止める必要がある。。
入試センター試験の問題は「日本教育の窓口」である。
だからなくならない。
「変化」はこれからの教育の内容・在り方を示唆するものである。
2020年に向けて、この流れは一層大きく展開することを胆に銘じて対応したい。
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