英語のプレテスト(施行調査)が2月13日~3月3日に行われた。
今回行われたものは、
「読む能力」筆記(リーディング)80分
「聞く能力」リスニング30分だった。
対象は、全国の高校2年生。調査に協力した高校の生徒達だ。
その「出題内容を分析」してみよう。
実施内容は、すでに(独)大学入試センターから公式な発表があった。
グーグルなどで簡単に検索できるので、自分自身で確認することを勧めたい。
次年度のセンターテストの出題は、プレテストで試行された内容に影響を受けるだろうから、新高1生だけでなく、次の受験生である「新高3生」も覚悟して傾向を知ってもらいたい。
すでに,高校入試・中学入試にも影響が「前倒し」にみられる。
これは全国の公立校も私立校も変わらない。
変化にしなやかに対応しなくてはならない。
プレテストの5つの特徴とは!?
主な特徴は次の5点にまとめることができる。
①実際のコミュニケーションの場面を意識していること。
問題文の素材は「日常的な場面」が多く、文学的な素材ではない。
誰もが当たり前に経験している日常の生活内容を、英語で質問し、英語で答えさせる問題だから、日本語に置き換えてみれば分かり易い。
しかし、筆記試験(リーディング)の指示をする文章は、全部英語である。
だから「英語が苦手だ」なんて言っていてはダメである。
将来、美容師になる人工員になる人等も、英語の基本はマスターしておきなさいというサインだろう。
②いくつもの情報を整理し、考える力を大切にしていること。
私たちは、日常生活の中で「あれか、これか」と迷ったり「どちらがいいかな?」と考えたりすることがたくさんある。
これを、「英語を使って答えさせる」出題であった。
思考力・判断力というより、普段の生活で、いろいろなことをまとめたり、比較したりする力が、そのまま出題されている。
「何となく・・・」という姿勢では答えがでない。
だから、「なぜこうなるのか?」ということを考えて答える癖をつけなくてはいけない。
日本語でも、漠然とした回答はダメである。
「具体的な事実」や「いろいろな意見」を踏まえて、これを混同しないで、整理したり、区別したりする能力である。
これを英語に置き換えただけの出題である。
普段から「いい加減」に過ごしている人は対応できない。
外国の人とのコミュニケーションは「笑ってごまかす」「曖昧な態度で逃げる」は許されないということに通じている。
意志・意見をしっかり持てということだ。
③当てはまる答えは「全部選択させる」という問題もあった。
このような形式テストは、これまであまりなかったが、私たちは、日常生活の中で「あれもあっているが、これも間違いじゃない」という場面はいくらでもある。
だから、柔軟に考えて、解答に慣れていく必要がある。
④全体的に、国際規格いわゆるCEFRで「A1~B1」までの問題を組み合わせで出来ているから、<英検3級合格~準2級>の実力をつけておきたい。
積極的に検定を受けて慣れた方が良い。
「中3で3級・高2で準2級合格」の実力をつけたい。
なお「英文法をしっかり学習」していかなければ、準2級以上に合格できないから注意したい。(中学校では文法の学習時間が不足している)
CEFRのレベル比較は、下記のように文科省が示しているので参考にしたい。
まず「目標とする得点レベル」を設定して勉強したい。
何度でもチャレンジして実力を高めたい。
首都圏の私立大学の志望者は<BI~A2>の実力をつけるように努力したい。
入試では「英語」が基準になるからである。
⑤今回の問題構成や内容が、必ずしもそのまま平成32年度からの「共通テスト」に受け継がれるものではないが、この結果を見て出題者は、作問を工夫したり、問題の構成・数・内容・音声回数を改訂したりするだろう。
しかし、基本的な流れは変わらないと予測する。
注意したいことは、「量が多い」から、相当の「スピード」をつけた勉強が必要だということである。
リスニングなど、実際の音声で確認した方がいい。知らなかったでは済まされない。
筆記・リーディングの4つのポイント
では、<筆記リーディング>のポイントを見てみよう。
①【平易な表現で書かれた日常的な素材(ポスター)から、必要な情報を読み取る問題】
素材・ポスターの中から、必要な情報を見つけ出して、共通点を捉える問題で、日頃、私たちがポスターから、いつ・どこで・何をやっているかを知ることと同じようなことを英語の問題にしただけである。
このように、従来のセンター試験の「情報を検索」する問題より、情報を「絞って探していく」のが主眼である。海外旅行でイベント会場を探す要領である。
②【必要な情報をWEBで集めたり、整理したり、要点をまとたりするような出題】
身のまわりの事柄を「平易な英語」で書かれた短文を通して情報を整理したり、要点や概要を把握したりするのである。
スマホでゲームをしている要領と変わりない。
③【短いレポートや資料から、必要な情報を読み取り、論理展開や出題者の意図を読み取る問題】
これは記述されている「事実」と話者の「意見」を混乱させないで、区別できれば良いだけだ。
国語の「評論文」を読む力と同じである。
冷静に読み取る力が試されている。
情報を比較したり、整理したりする力は、日本語でしっかり鍛えていくことだ。
多くの場合、「日本語ができない生徒は英語もできない」から、日本語をしっかり勉強することが基本である。
④【「物語」を読んで、その内容を書評にまとめるという出題】
目的やゴールを設定させる形式もあったが、国語の「物語文」をしっかり読み切る力と同じである。
<主語=述語>に注意して、丁寧に読む力をつければよい。
物語の展開・登場人物・人間関係・行動を理解し、設問に答える。従来の物語を読む力を同じ能力が要求されている。たくさん読むことが大切である。
リスニングの7つのポイント
次に<リスニング>をみよう。
①多くの人はリスニングに慣れていないから、どれくらいのスピードで、どの程度の内容理解が要求されているかを確認する必要がある。
幸い、プレテストで発表している「音声」があるので確かめてもらいたい。
早いと感じる人・平気な人に別れるだろう。
<スピードに慣れる>ことが大切である。
テストだから聞き取れなかったではシャレにならない。
②試行調査だから「AとBの2グループ」にわかれていた。
これらを検証して本番の回数を決めるだろう。
本番のことは、いまはわからない。
A問題・・・すべての問題で音声が2回流れるグループ
B問題・・・音声が1回流れる問題と2回流れる問題が混在するグループ
③日常生活の中で必要になる基本的な情報を聞き取って、どんな内容かを把握する問題があった。しっかり聞けば難しくない。
・・・普段、私たちはレストランに入ったら、店員からメニューをもらって、どの飲み物・料理にするか選ぶ。同じような場面で、レストランで店員が言った英語を理解できたかどうかかが出題のテーマである。
答えは「配布された解答用紙」に記入していく。
④複数の人の音声を聞いて、与えられた条件に合うものを選ぶ問題。
プレテストでは、話している人の発言内容の要点を、問題冊子に示された「メモ」を用いて整理し、与えられた3つの条件を満たす人物を判断することがテストされている。
これも、私たちが複数の友達の意見を聞いて「この人だ!」と選択する日常場面と同じである。日本語でやっているものを「英語でやるだけ」である。
⑤講義を聴いて、ワークシートの空欄を埋める問題。
プレテストでは、ワークシートとの関連を考えながら、メモを取ることで要点をつかむことが求められる。これも普段通りでよい。
⑥複数の人物の音声を聞いて、賛成意見を述べている人物をすべて選ぶ問題。
今回のプレテストでは、「炭水化物の摂取」についての発言を聴いて、摂取について賛成か反対かを選ぶ問題であった。が、私たちは日ごろ同じようなことをやっている。
ビックリすることではない。
⑦リスニングでは、対話の場面や状況が日本語で示されているので、何を聞くのかを理解した上で聞くのだから難しくない。
私たちの、日常生活・会話を意識した問題だから、「慣れること」が一番重要である。
次の入試センター試験でも「聞きながら考えること」が要求される出題がみられるだろう。
聞いて終わりではなく、「必要なことを聞きとり、判断する」ということが、今後の対策として重要になってくる。
日頃から、メモを取ったり必要な情報を把握する訓練をしたり「あの人は何を言おうとしているのかな?」という姿勢を大切にすることである。
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