LEADESTが大学入試の指導に、これまで以上に積極的になるという。
ならば、この機会に、「大学入試の基礎知識」をまとめておこう。
私は某大学の教職課程の講座を10年間ほど受け持っていた。
そこで分かったことは、学生たちは、意外なほど、大学入試のシステムを理解しないままに受験を通ってきていたことだった。
高校でも、予備校・塾でも「系統的な解説」をしてくれないからである。
そこで、「現在のシステム」と「これからのシステム」について、3回に分けて解説しよう。
理解していると思っていることに、意外な落とし穴がある。
変化への対応力を高めよ
現在の教師・保護者は、「共通1次試験」・「大学入試センターテスト」の世代である。
だから、あまりにも複雑になった現在の「受験システム」がわかりにくいと思う。
加えて、2020年からは「共通テスト」が実施されることになった。
それもいまだ「試行テスト」(11月)をするなど、実施内容も定まらず、英語4技能、国語・数学の記述式・段階値の扱いなど問題点が多い状態である。
これから、ますます「変化」を加速するというのだからたまったものじゃない。
これが、今年のセンターテストはどういう影響を与えるのか。
本当に、高2生は、「浪人しては損」なのか。
直接的影響は、生徒と保護者がうける。
このままでは、塾・予備校など校外教育を含めて「混乱」が加速するだけである。
だから、変化を「負」にしてしまわないで、「プラス」にする知恵が必要である。
LEADESTの具体的な取り組みを支援しよう!
現実は、高校3年生と2年生は「入試センターテスト」で受験し、高校1年生以下は「共通テスト」で受験である。
保護者や先生が「私の時は・・・」という知識・情報は、もう通じない。
謙虚に「変化」を見つめ、変化に対応しなければ、良い知恵が出ない。
抽象的なものではダメだ。具体的に何をするかだ。
知ってるようで知らない現行の「センター試験」
現状では、国公立大の志望者は「大学入試センターテスト」を受ける。
このテストは、1月の「第2週の土・日」の2日間に実施することが決まっている。
だから、カレンダー次第で実施日が変更する。
3日間の実施を主張する人もいるが、生徒負担が大きくなるなどの理由で「2日間で収め」ている。
私は、この基本は2020年以降も変わらないだろうと予測している。
このテストを毎年、アラカルト受験者を含めて、全国の「55万人前後」の人が受験している。
基本教科は英語・数学・国語・社会・理科の選択で「5教科7科目」。「900点満点」である。
「平均60点」になるように作問されている。
毎年アップダウンがあるが、極端な教科格差が出た時は「得点調整」がある。
昨年は満点の人が出たが、平均点は一定している。
学習指導要領の範囲内での出題。つまり、「教科書で取り扱う範囲内」で出題し、難問・奇問はない。
受験者が一番多いのが、英語である。
外国語は、中国語や韓国語などでも受験できる。
障害者には点字受検が可能など細かく用意されている。正当な理由がある人には、「追試」も認められている。
「会場は全国の大学・高校」で、それぞれの職員が対応している。
英語のリスニングなど不公平にならないように機器が準備されている。
しかし、毎年ミスが報告されている理由は、運営上の初歩的なものが多い。
責任感が欠如している担当者がいることは情けない。
国公立大学の中でも「大学入試センターテストを利用しない方式」がある。
推薦入試などである。それぞれの大学・学部のアドミッションポリシーに適応した受験者を求める試験方式である。
数年前から、東大・京大・いくつかの大学で実施している。
平均的な能力より、秀でた才能の持ち主を入学させようという試みである。
地方大学の医学部は早い段階で実施し、高い評価を得ている。しかし、安易にエントリーしてもなかなか合格できない。
私立大学が「入試センター試験を利用する方式」もある。
俗にいわれる「センター利用方式」である。こちらの方が「合格しやすい」という声もある。が、実態はわからない。
大学が独自に入試問題をつくらなくていいし、受験料収入が見込まれるので、この方式を利用する大学が多い。
入試問題の作成には「多大な知恵とエネルギー」が要求されるので、全国の私立大学が採用してきた。
しかし、最近は「合格しても入学しない」というような理由から「変化の兆し」がみられている。といっても、次年度の入試でも、沢山の大学がこの方式を採用するだろう。
マーク式の攻略法とは!?
「入試センター試験」は、<マーク式>である。
だから、必ず「正答が1つ」あるように作問されている。
ここがポイントである。
大学の教官など専門家が教科ごとに30名以上集められ、膨大な時間を費やして作問を担当している。
「答えが1つ」というマーク式問題の作成は非常に難しい。
微妙な差異を必ず作らなくてはならないからである。
この点を見破るテクニックを持った受験者が、高得点を取る。
「記述式」の方が作問は楽であるが、採点は難しい。
採点にブレが生じないことが絶対条件だからである。
採点基準をしっかり持たなくてはいけない。
また、大学の「1次試験」として他大学と得点比較したり、経年変化をみたりすることができる。
「1点きざみ」でデータが明快だから、合・否判定に適している。選抜試験に情実が入りにくい。
受験生の観点からいえば、マーク式の解答方法にはテクニックがある。
予備校では、マーク対策を「売り」にしている講師が多い。
LEADESTの講師も、このテストを得意としている人が沢山いると聞いている。
設問を丁寧に読み、4択~6択の問題から正答を引き出すコツを指導するのである。
コツを覚えたら高得点が取れる。
私が指導する世界史では「誤りの箇所を探す」・「設問から入る」・「テーマ性を大切にする」にポイントを置いた。
マーク式に慣れるには、1か月以上の訓練が要求される。
焦って、早くから取り組めば高得点がとれるというものでもない。
基本をしっかり理解している必要があるからである。
通常、受験テクニックを学校では指導しない。
本質的でないからである。しかし、それだけでは高得点は取れないのが「受験」である。
ここが難しい。
押さえておきたいセンター試験のあれこれ
~今年度の受験生は必ずチェックを!~
次の「大学入試センターテスト」は、2019年1月19・20日である。
初日は「地理歴史公民」「国語」「外国語」。 2日目「理科」「数学」。
出願期間は2018年10月1日~12日。
検定料は、3教科以上18000円、2教科12000円である。
~注意したいポイント~
Q:「センター方式」で受験する場合、出願校と選択教科は一致する必要がありますが、あなたの場合は大丈夫ですか?教科を書きだして比較してください。
Q:受験当日に「受験票を忘れた場合」どうすればいいか知っていますか?
Q::一見、教科数が多いテストより、教科を絞った勉強の方が有利に見えますが、これには大きな落とし穴があります。どんなことですか?
文:個別指導塾LEADEST 顧問 安達昌二
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