サッカーW杯と受験に勝つ方法

「受験に勝つ方法」について考えてみよう。

 

サッカーW杯の試合をベースにして、受験にアレンジするとどうなるか?

 

何もしないで勝利するはずがない。

サッカーW杯を観てもわかるように、敵(ライバル)がいる闘いである。

「敵の上を行く作戦」こそ大切だから、「棚ぼた式」を期待してはいけない。

 

① 目標を定めて、猛烈にダッシュする

どこのチームも「自分の戦い方」を持っている。

典型的な試合は、ロシアがスペインに勝った試合である。

 

ロシアは85%守っていた。

 

まともに戦ったらスペインに勝てないからだ。

延長に持っていって、PK戦で勝った。

次のクロアチア戦では攻撃的サッカーだったことをみれば、このチームが攻撃できないということではない。

「戦い方を選択」したのだ。

 

受験では、教えられる勉強は終わり。

<目標=志望校>を定めたら「考えて、工夫する戦い」をすることだ。

合格するための戦いは甘くない。

自分の戦い方のスタイルをつくることだ。

時間は無限にない。

無駄を省いて、「自分のスタイル」で戦うことだ。

 

② 志望校のレベルにそったテキストを選択する

悔しいが、ベルギーは日本に対して、「徹底した作戦」で臨んできたとは思えない。

前半戦をみればわかる。

悪い言葉でいえば「なめてきた」。

2点入れられて「リードされてからの戦い方」と比較すればよい。

「こりゃまずい」と本気になった。

それからがすさまじかった。

 

ベルギーがブラジルと戦った試合と比較してみれば分かり易い。

対ブラジル戦は、日本戦の作戦と同じではない。

「日本戦で目覚めた」と書いている人がいるが、「使ったテキスト」が違う。

甘いことを言ってはいけない。

 

<2点差>で、日本が徹底して「逃げ切り作戦」を取ったらどうなったか?

ポーランド戦と同じように・・・。

1点は必ず取られる。

しかし逃げ切れるかもしれない。

勝利第一主義である。

 

今さら「清く正しく」「正々堂々と」と美しいことを言っても始まらない。

戦術として割り切ればいい。

合格しなければ何にもならないからだ。

もっと早くベルギーは「本気になった」だろう。

そこで、日本はどんな戦いをするか。できるか。

これが「双方の実力」である。

企業はこんなことばかりしているではないか。勝ち抜き戦だからである。

 

受験校・敵・ライバルを「甘く見るととんでもない落とし穴」に直面する。

W杯<試合=受験>は、そんなことを学ぶチャンスだった。惜しいことをした

 

「過去問を徹底して勉強する」ことだ。出題者のクセ・傾向を肌で理解するまで繰り返す。

例えば、大学・学部にそって作問する「英単語」のレベルが違う。

これが分かるまで執拗に勉強すること。

早稲田大で出す単語と地方の私立大の出題レベルの単語は異なることを考えれば分かり易いだろう。

女性週刊誌レベルの文章になれていては、受験の国語問題は読めない。

過去問の研究はレベルの研究でもある。

<週刊誌の文章=中学2年生レベル>である。

 

合格(勝利)するまでに重要なことは「問題集=練習相手」の選択である。

要求(戦い)レベルにそって、的確な問題(相手)を選ぶこと。

一度にレベルアップするではなく、「徐々にレベルを上げていく」こと。

到着点(合格)から「逆算」してテキストを選ぶことも重要である。

 

③ 良い指導者に恵まれること

W杯のどこのチームも「知将」が率いていた。

どの監督も貫禄があった。オーラとオーラの戦いだった。

 

「どんな試合をしたいか」「自分のチームの特徴・欠点」はどんなレベルかを知り抜いていた。

どんな局面でもパニックにならなかった。豊富な国際経験で鍛え抜かれた「鋭い知性」で光っていた。

カッコよかった。選手を、自分の戦術・戦法に会うように育てていた。

 

塾・学校で「最良の教科指導者」を選択することが重要である。

お勉強に「お付き合いしてくれる先生」ではダメだ。

生徒は顧客だからと「甘やかす指導者はダメ」である。

次の時間までにやっておかなくてはならないことを指示する指導者が良い。

「反転授業」ができる指導者が優秀である。ワンランク上の戦い方を知っていなくてはいけない。

「指導者の優・劣」が、生徒の学力伸長のキーになる。

特に、受験直前の指導には、「鋭い知性」が必要である。

 

④ 正確な情報を確保すること

今回のW杯は「データ」を駆使して縦横無尽に使い分ける指導者でなくては勝てなかった。

まさに「データサッカー=近代サッカー」であった。

アルゼンチンのメッシ選手の走行距離はどれだけだったか、ベルギー戦で、カウンターで走る選手のスピードも計算できていて、「きめ細かなデータ」が整っていたという。

これまでの試合結果に基づいた分析の上に立つ戦略である。

 

大学情報は変化している。最新情報を流してくれる塾・学校が良い。

豊富な資料を持っているが、その「資料を使いこなす」能力を、組織が持っているかどうかが問題である。

サッカーと同じく、中途半端な指導はできない。

 

推薦・AO入試を受験する人は「志望理由書」が重要な役割だから「丁寧な指導」をしてもらうことだ。

系統的な訓練と演習が要求される。

最近の受験は「アルゴリズムの時代」である。

システムが、推薦・AO入試でも有効である。近年猛烈に進化した。

 

ブラジル・アルゼンチンの「個人技」を優先したチームが「不利」だったと同じである。

IT/AIそして「System」の時代が来ている。

 

⑤ スランプの期間を短くすること

サッカーでは、一生懸命にやっているのに、「流れが来ない」時間帯がある。

ボールを回しても繋がらない。

どこかがチグハグでパスが通らない。

イメージしていることがバラバラで「こんなはずじゃなかった」という時間帯である。

W杯を見ていて、「こんな時はどうしたらよいんだろうか」とハラハラする。

 

実際は「待つしかない」のである。

「我慢するしかない」のだ。

焦らず、潮目のチェンジを待つのである。

そして、「たった1本のパス」から一挙に展望が開けるタイミングを見逃さないことだ。

この「待つ力こそ実力」なのである。

 

受験でも、必ずスランプの時が来る。成績が伸びなくて悩む時がある。

 

そんな時は、焦らず、我慢し、「気分転換」と「運動=肉体を動かす」ことに注意するといい。

誰にもスランプの時がある。スランプの期間は短い方が良いに決まっている。

スランプを自覚した時は、校外模試の見直しをすること。

曖昧にしていた箇所を埋めること。

解答・解説に赤ペンを入れながらチェックすること。

こうして「開き直って原点に戻る」。基本に戻って、地力の回復を待つのである。

 

きっと鍛えてきた「日頃の習慣」が救ってくれるだろう。

スタンドプレーではなく、「習慣化した実力」が自信回復の力になるだろう。

自分を信じて我慢することだ。「潮目」は必ず来る。

 

⑥ 確実に得点を稼ぐ教科科目(パターン)をつくること

どのチームにも、必ず「得点できるパターン(形)」がある。

例えばコーナーキック。

セットプレイの場合、ゴール前に長身の選手をそろえる。左・右に、足の速い選手を配置してセンターリングができるように練習しておく。チャンスに機能するように練習をするのである。

こうした初歩的な戦術から、「敵を欺くパターン」までいくつかを練習する。選手の能力・技術だけでなく、敵の選手の能力・技術まで視野におかなければ「勝つ戦い」はできない。

 

受験でも同じである。

冷静に自分の学力をみて、「志望校にそった戦法」を立てなければ合格できない。

どの大学にも共通することは「英語」が強くなることである。

これは必須である。

難関校の文系では「英語で差をつける」人が多いが、今後の超難関校のキーは「自由英作文」・「文法理解力」だろう。

 

理系では「数学」がキーになることが多い。

「国語」は、物語文などテーマに沿って出来・不出来がある。

古文・漢文は一定の得点が取れるハズである。

入試センターだけの人は、地歴で年号まで覚える必要はない。

11月下旬までは2次試験学力をつけることに集中することだ。

マーク式の演習は飽きがくる。

「自分の得点ができるパターン」を、意識的に作ることである。

 

⑦ 勉強をする環境を選ぶこと

スイスチームをみると、選手の出身母国がさまざまであることが分かる。

セルビアと対戦した時、コソボ出身のシャリキ選手らは明らかにコソボ問題が未解決なことを提起する行動をとった。「サッカーに政治を持ち込んだ」ということでFIFAから罰金が科せられたが・・・。

 

イギリス・フランス・ドイツなど強豪は多民族出身者のチームだ。

これからは、単一民族と呼ばれるチームはますます少なくなるだろう。

スポーツの世界でグローバル化は止まらない。

 

受験でも「融合問題」「総合問題」というヨコワリ・ナナメ割りの出題が多くなるだろう。

すでに物理や数学の授業を英語で実施している学校がある。

今年も、出題形式を変更する大学があるだろう。

環境の変化に「しなやかに対応する力」をつけなければいけない。いわゆる「応用力」である。

 

<Serendipity>とは、どんな能力なのか。

自分で調べることを勧める。人生に必要な能力だから・・・。

これからは「目的を同じくする友人」と付き合う時間帯である。

遊び友達とは少し「間」をおいて、勉強に集中することができなくてはいけない。

 

「結果が求められる戦い」ということで、W杯と受験は共通している。

「頑張ったからよかった!」ということでは戦ったことにならない。

これが試合(=入試)である。だから、厳しい。

しかし、厳しさを通してしか強くなれない。

これが人生の掟ある。