受験生の神経が尖っています。
いままでは、努力すれば努力しただけ伸びてきた成績も、
最近は行き詰まり、不安になったり、焦ったり・・・。
これが、毎年繰り返す11月の受験生の心理です。
こんな時、受験生に「どんなアドバイス」をしたら良いでしょうか。
悩みますね。
そこで今回は「大学受験生を指導する人・保護者」が理解していたいことを、<11月の進路指導>のポイントとしてまとめます。
11月は、受験生にとって、非常に厳しいときです。
実は、これからもっとハードになるのですが、18歳になって、初めての対外試合ですから、それだけで「不安が増幅する」のですね。
現役生は「悲鳴をあげながら実力をつけていく」のですから、割り切って、「追い込むのも愛情だ」と思う方が賢いのですが・・・。
「こんな若い子を追い込むなんて可哀想だ!」という気持ちは誰も持ちますね。私も同じです。知人で有名な学校の高校長が<愛とは厳しさのことだ>といいましたが、忍びないときがありますね。しかし、受験を通して「大人になる」とも考えられますから、悟りの「お釈迦さま」も憤怒の「不動明王」になる。そんな時もあってよいでしょう。
進路指導者として受験生に「教えるべきこと」・「配慮していくこと」が、その都度あるものですが、いまは「その時の1つだ」と考えるといいと思います。
どうせ、私たちの人生は「不安と感動」の繰り返しなのですから、「強く挑戦的な生き方」を教える時も必要です。「大きな波の中」で自己を磨く時なのです。5か月の期間限定ですから、安らぎは、その後の価値で充分です。
では、今年の受験に向けて、必要なものを整理してみましょう。
(1)本番までのスケジュールを確かめてください。
①大学入試センター試験はいつですか?
1月19日(土)・20日(日)ですね。
家庭では、特に正月からの「20日間」は落ち着いた生活に心掛けましょう。
TVの音を小さくしたり、家族の健康に注意したりするのです。
家庭内の喧嘩は禁物です。勉強ができる雰囲気づくりです。
②出願の締め切り日を確かめてください。
締め切り日を確認して、生徒には「余裕」をもって出願準備をさせましょう。
学校で作成する「調査書」はすぐには発行できません。
家庭からは、早めに発行依頼を出し、先生方は頑張って書いてください。
近年「Web出願」が増えていますね。
「Web出願」のみの大学が多くなりました。また「Web出願」の方法は大学ことに異なります。
クリック一つで出願できるので、どの大学に出願したかを把握する必要があります。
正確な「出願記録をつけ、合・否まで追跡」できるようにしましょう。
学校・塾では、貴重な後輩指導の資料になりますね。
「Web出願の留意点」も確認しないで混乱している例があります。
受験料の納入方法・写真の用意などです。
先生や保護者が知らないうちに出願してしまったということもありますね。
「従来からの出願方法」では、いざ出願という時になって、手元に「紙の出願書類がない」なんてことがないように、事前にチェックしておきましょう。
担任の先生も保護者も確認しておかないと混乱します。
「出願できない」なんてことにならないように・・・。LEADESTは大丈夫のようですが確認しましょう
③私立大学・学部の受験日は、<2月1日から1週間がピーク>ですが、同じ大学・学部で「何度も受験チャンス」があります。
何時・どこを受験するのか。
特に気をつけて、家庭と学校・塾でチェックすることを忘れないことです。
1月中に試験を開始する大学もありますね。受験システムは複雑です。一人合点は危険です。
しっかり指導したいですね。
④受験費用を、確保していますか?
受験料・交通費・ホテル代など、まとまった経費が必要です。
「初年度納入金」、「4月当座の経費」の見積もりは出来ていますか。
それに見合うだけの「家庭の経済力」を、出願の前に親子で話し合っておくことを勧めます。
ベネッセ・生活協同組合などで試算が出ています。私立大学の受験料は、ほとんどの大学が35000円です。
安くないですね。
担任の先生も、こうした観点から、生徒一人ひとりに助言することも大切ですね。
200万円~300万円が必要になりますからね。
⑤受験生の宿・交通の手段の手配は充分ですか?
試験場までの経路を見て、「ゆとり」をもって行動できるようにしましょう。
交通渋滞もありますから、自家用車やタクシーが危険な場合があります。
ビジネスホテルに宿泊して、酔っ払いに絡まれたり、騒がれたりしないように注意する必要があります。
「受験日の弁当」は手配できますか。試験場の下見も必要な場合がありますね。
⑥受験では「ピークをどこに持っていくか」というスケジュール管理が重要です。
だから、11月に焦ったり、慌てたりしてはいけないのです。
入試センター試験を一つの「ヤマ」に設定すると良いですね。これは私立大学専願者も含みます。
受験勉強では、目指す「ヤマ」をいくつか作っておくとよいです。2月1日からの1週間もヤマです。
受験のヤマのつくり方は、「スポーツの試合」と同じ要領です。
コーチの意識と指導の仕方で、どのようにも変わります。
(2)志望を確定させてください。
目的が定まらない生徒は必ずフラツキます。
どんな大学に入りたいのか。
大学で何をしたいかを明確にさせましょう。
「目的意識が強い受験生が強い」です。
「合格したところが志望校だ」なんて言い訳は不要です。
決めたらふらつかせないことです。
国公立大学の志望者は、「入試センター試験」の結果を見てからでないと出願する大学を決定できませんね。
私立大学も首都圏の大学は「入学定員厳格化」の影響を受けて不安材料が多いですね。
だから、何をしたいか、進学の目的を明確にする必要があるのです。
自主性を重んじるという放任は賛成しません。
(3)なんと言っても、最後は「体力」です。
よく食べて、よく寝る。気分転換をする。運動不足にさせない。1日目を頑張っても、2日目はダウンではなんにもなりませんからね。ダメです。食事管理では「生ものを食べさせない」。必ず「火が通ったものを食べさせる」ことです。成長期の子供ですから、「運動不足にさせない」ように配慮することです。部活も終わり、心身共にストレスでイライラするのが当たり前です。
「机の前に長く座っても大丈夫な身体」をつくりましょう。
日常生活でも「前向き」な姿勢を貫くことが大切です。偏食を避けましょう。
(4)すでに進学先が決まった生徒指導に留意したいこと
実は、こちらの生徒の指導の方が大変です。学校の授業に集中力を欠き、「遊び型非行」に走る生徒もたくさん見受けられます。一般受験する生徒が「必死」に食らいついて学力を伸ばしていくのですから「大学に進学してから慌てる」ことがないようにしたいですね。
塾に通っていた生徒はできるだけ継続させると良いですね。大学によっては、すでに合格が決まった生徒を対象にした「スカラシップ試験」を設定しているので受験させると良いでしょう。
指導上の留意点です。
①読書量を増やさせてください。大学は基礎教養・知識を要求します。
②新聞・硬派の雑誌をしっかり読む習慣をつけさせましょう。
③「英語など語学力」をつけさせてください。これは必須です。
④文章を書く機会を増やしてください。大学はリポート作成が基本です。
⑤バランスを考えた食事の習慣など「日常生活に必要な知恵」をつけさせてください。独り立ちの基本です。
これから、折々に「気をつけたらよいこと」を発信していきます。参考にしてくだされば幸いです。
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