新しく高校へ進学する皆さんへ

高校の生活と、中学校の生活は、全く異なります。

中学では常識だったことが、高校では全く通じません。

特に学習の仕方や内容が違います。大学入試制度も変わります。

そこで、気をつけたいこと、事前に承知しておきたいことを書きましょう。

かなりストレートに書きますから、自分で置き換えて判断してくださいね。

 

①学校間格差に留意しましょう。

高校は、ほぼ同じレベルの学力の生徒が集まった集団です。

そのために高校入試があったのですから、この「学校間格差」を冷静に見つめましょう。

格差を無視することも否定する必要もありません。

入学した高校の現実を直視して、「これからの自分」を考えることが大切です。

 

次の大学入試は、高校入試とは全く異なるシステムですから、競争が激しいです。

競争相手は全国のライバルです。

狭い地域内の競争ではありません。

たとえ高校入試で失敗しても、大学入試でリターンマッチをすればいいのです。

チャンスはいくらでもあります。

希望通り進学できた人は、もっとファイトを燃やしましょう。

 

ところで、<よくも悪しくも>、学校には、高校入試で「輪切り」にあった仲間たちが集まった集団です。

中学校の時のように、「できる子」も「できない子」もごちゃまぜの集団ではないですね。

「自由競争」の世界です。

「義務」で勉強する集団ではありません。

「競争に勝った人」と「負けた生徒」がハッキリする世界です。

案外このことに無頓着な人がいますが、進学校は進学校らしい「スピード」と「学習内容」がありますし、そうでない学校には、それぞれの「学校のレベル」に応じたスピードと学習内容が設定されています。

 

大学に進学するつもりの人は、のんびり構えていると、高2・高3生になってから慌てることになります。

だから、やり方次第で楽しくもなり、つまらなくもなるのが高校です。

 

②「学内の学力格差」に注意しましょう。

もう一つ重要なことは「学内の学力格差」です。

早ければ5月の連休明けから、遅くとも1学期が終わるころになると「格差」がはっきりします。

部活などが忙しいという理由で、予習・復習をないがしろにしていると「ついていけなくなる」から気をつけましょう。

 

「高校受験で頑張ったからこれでお終いだ」という姿勢は危険です。

格差は、日を追うごとに大きくなります。

「高1から高2の2学期までに」大学入試の受験レベルが決まると考えてください。

校内の順位に気をつけましょう。

勉強と部活の「切り替え」ができるように努力しましょう。

 

③2020年に、あたらしい大学入試制度が始まります。

高1生は新制度の3年目にあたりますね。

変化は避けることができませんから、学校などの指導に従って「しなやかに対応する姿勢」が求められます。

 

すでに、全国の高校が必死になって、情報を集め、新しい指導法を工夫しています。

いまのところ公立高校の動きは鈍いですが、私立の中高一貫校はすでに多様に動いています。

だから「学校間格差」も「学内格差」も今まで以上に大きくなるでしょう。

 

今後「デジタル端末機」を積極的に使う学校が多くなるはずです。

また「4技能の英語」の授業が一般的になります。

しかし、デジタル端末機を充分に準備できない高校がありますから、この面からも「格差が拡大する」でしょう。

個人として「立ち遅れない」ように対策を取らなくてはなりません。

 

4月から義務教育で「デジタル教科書」の使用が認められますから、「変化の流れ」は一層大きくなるはずです。

 

この激変の中で、新しい高校生活がはじまることを知っていてください。

 

④首都圏私立大学の入試は厳しさを増すでしょう。

首都圏の皆さんは、国公立大より、首都圏:私立大を目指す人の方が多いですね。

ところが、政府の方針で私立大学は「定員を厳守しなければ、補助金がカットされる」ということになったために、早・慶・上智大学をはじめMARCHと呼ばれる大学の合格チャンスが小さくなってしまいました。

 

この傾向は、高1生になる人に重くのしかかってくるでしょう。

学力不足では「狭き門」を通ることができません。

「それならば地方の私立大に・・・」といかないのが現状のようです。

現実は、首都圏内の<次のレベル>、<次のレベル>と動いているようです。

 

指定校推薦をもらって、苦しまないで進学しようと思っても、簡単にはいかないと覚悟してください。

 

⑤高校の授業は丁寧ではありません。自分で勉強する態勢をつくりましょう。

中学校の教科書と高校の教科書を比較してみてください。

まず、分かりにくいですね。

学習量も多いですね。

 

例えば、国語の古典を見てください。「読み下し文」も「解説文」も簡単ですね。

中学の「扇の的」をみると「平家物語:那須与一」はこういう人で、こうした背景で、こうしたと丁寧に書いてありますね。

しかし、高校の教科書は「そんなのは自分で調べろ!」ということになります。

先生の指導も同じです。

「やさしく・分かり易く・丁寧に」ということはありません。

「このスピードと学習量についてきなさい」という姿勢ですから、ボヤボヤしているとおいて行かれるのです。

 

大学受験では、目標とする大学・学部が要求するレベルから、「逆算」して授業を進める学校が多いですから、高1の始めの躓きで勉強に興味や関心を失ってしまう人もいます。

だからスタートが大切なのです。

 

⑥自分で考え、自分の行動に責任を持ちましょう。

勉強だけではありません。

部活で運動部に入ったら「選手制度」が敷かれている学校が多いですから、練習は厳しいでしょう。

上級生から「厳しい指導」を受けるかもしれません。

「仲良く・のんびり」という部活動は期待できないかもしれません。

文化部も同じです。コンクールや競争イベントが盛んですから「楽しみながら、逞しく頑張る姿勢」が期待されます。

 

苦しくなると、「遊び」に走る人が出てきますが、遊び癖がつくと、なかなか直すことが大変です。

健全で、前向きに歩く人間として成長してほしいと思います。