中学校は、部活が盛んな学校が多いですね。
特に「運動部に入るように指導している学校」があります。
成長期にある肉体ですから、スポーツによって体を鍛えることは大賛成です。
私の家族もテニス・水泳・剣道・バスケット・野球などの部活を体験しました。
私たちは、部活を通してたくさんのことを学びました。
ところが、最近、友人から困ったことを聞きました。
「バスケット選手をしていた娘が大けがで、選手生命を絶たれた」というのです。
高校3年になったばかりで、遠征中に大腿骨を骨折したというのです。
「私はバスケット選手として、有名高校からスカウトされたから、この道で行く」といって、中・高とも練習漬けの毎日でした。
「プロ選手になれるわけではないので、もっと勉強してほしい」という声も届かず、「私はやれるところまで頑張るんだ」と、すべてを部活に打ち込んでいたのです。
スポーツには2種類の育成の道がある。
スポーツには2種類ありますね。
1つは「エリート選手」を育成する道です。
もう1つは「コミュニティ・生涯スポーツ選手」を育成する道です。
エリート選手の養成は、優秀な才能を持つ子どもたちの中から、また図抜けた優秀な能力を持つ人材を選んで「特別に鍛える」ものです。
もう一つは、才能の持ち主であるが、選手活動にとらわれず「生涯、スポーツを楽しむ」ことを大切にする道です。
才能の見極めは厳しいものがありますが、学校体育・部活は、後者を目標にするものです。
校外の「スポーツクラブ」とは、目標が異なるものだと言えます。
しかし、現実の部活動の多くは「勝負にこだわり」、指導監督する人が教育の範囲を超えて「勝ち抜くための鍛え方」をしているところがありますから、純粋で正直な子供たちは、その影響の下で頑張ってしまうことが多いですね。
私は、長年いろいろなスポーツの指導者を見てきましたが、指導者によっては「勉強なんてどうでもよい。練習に全力を尽くせ!」といって、「授業時間を睡眠の時間だ」と割り切った発言をする人さえいます。
激しい早朝練習をして「授業中の集中力を欠く例」も多々ありますから、私は「困ったものだ」と思っています。
指導者の問題はともあれ、人間の才能は、「いつ開花するか」分からないのですから、どんな場面でも、学校の勉強を手抜きしていい理由になりません。
特に中学校までは「最低限度の勉強」なのですから・・・。
だから、義務教育なのですね。
元日本代表主将・長谷部選手の中高時代とは
私の高校の母校はサッカーの名門校です。
長く日本の主将をしていた長谷部誠選手は中・高校の後輩です。
彼を指導した先生たちは、「長谷部君は堅実なまじめに勉強する生徒だった」といいます。
実際に、高校サッカーでは、彼より華やかに活躍した選手が何人もいました。
長谷部選手の中・高生時代を知っている人は、彼が「ドイツリーグ」で活躍するようになるとは予想しなかったです。
部活に一生懸命になるあまり、勉強を疎かにしてはいけません。
一流のプロ選手になれなくても、練習で努力した成果は、「生涯のどこかで」「何らかの形」で必ず出ます。
そして、勉強で「手抜きした結果」も必ず出るのです。
部活動も勉強も同じです。
基礎学習をしっかりやらないで上達することはないのです。
「気がつくのが遅かった」では済まされないのです。
私の友人の家の娘さんは「私、バスケットが嫌いになった」とつぶやいたそうです。
「これほど悲しい言葉はない」という悲痛な声が家族の方から伝わってきました。
勉強を始めるのに「遅すぎる」ということはないです。
長谷部選手は、中・高校時代にドイツ語を学習していませんでした。
彼は、大人になってから勉強したのです。
彼女も、早く気がついて「勉強を再開してほしい」と願っています。
君も足元の勉強を怠ることがないようにしてほしいと思っています。
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