中高一貫校にお通いのお子さまをお持ちの保護者の方へ

中学入試の「独特な体験」を終わって、ようやく入学・・・。

志望校に入学できたご家庭もあれば、

第2志望・第3志望校にまわって「これからどうなるか」と心配しながら、進学させた保護者の方もいることでしょう。

 

そして1年生。最適だと思った学校もガッカリだったリ・・・

「ダメかな」と思った学校が、とても良かったり・・・・

 

進級した中2・中3・・・高1・高2・高3も「前向き」にです。

 

ここで、中高一貫校の現状と課題について書いてみましょう。

 

中学1年生の注意すべき4つのこと

男子校・女子校・共学校で、全く違いますから、一概に言えませんが、注意事項は共通しています。

一貫校らしい特徴がありますからね。

 

①ほぼ「同じ学力レベル」の生徒が入学しましたが、実態は校内の学力格差が大きく広がっていると考えるといいでしょう。

今までは「学校格差」に関心が集まり、志望校選びに関心を持ってきましたが、これからは「校内格差」が問題です。6年間のうちに、ものすごい格差になりますからね。

すでに、これが気になっている保護者も多いでしょうね。

この中で、中学受験で偏差値上位中学から「ランク落ち」になった生徒は、ものすごく一生懸命に勉強しています。リベンジですからね。

 

②志望校に「まずまず入学できた」と思っている生徒はのんびりしています。

部活など学校生活を楽しんでいるといってもいいでしょう。

同じく「ようやく合格できた」生徒も安心して生活をしているでしょう。

今が一番楽しい時です。人間的には、こちらの方が成長していると思います。

 

③だから、入学時から比較して、1学期が終わってみるとものすごい「校内学力格差」がついているはずです。

一貫校のほとんどは「2期生」を取っていますから、今のところ「格差が見えない」だけです。

分かると「唖然」としますね。

といっても、今頃「3者面談」「2者面談」が進んでいて、成績不良で、烈火のごとく怒っている保護者がいると思います。保護者にとっては期待の星ですから・・・。

 

④私立校は「成績上位者の順位」を発表し、上位者は表彰しますからね。

保護者がヤキモキしても、生徒は「そのうちにがんばるよ!」というところでしょうが、「家庭でのフォロー」は夏休み中にしっかりやっていくことが不可欠です。

小学校とは学習の「スピード」も「学習量」も違いますからね。

ついていけなくなった生徒は、早々と退散です。

つまり、もっと勉強をしなくなり、「遊び型非行」に走ります。手が付けられなくなりますね。

注意しましょう。

 

中学2年生で注意すべき4つのこと

①この学年が「分岐点」ですね。

ご子弟は無自覚でも、「振り返ってみる」と、ここで人生の方向が決まるといってもいいでしょう。

学習量が半端じゃないですね。

「先取学習」が盛んな学校は、「反復授業」ですね。

部活動も盛んで、一貫校らしく高校生と合宿したり、旅行を楽しんだり、充実している反面、個人差が大きく出ます。ご家庭次第です。

 

②特に学力では「数学」の差が大きく出るでしょう。

今さらながら、中学受験で勉強したことが、全く通用しないことが分かるはずです。

中学受験は「選抜試験」ですから、傾向と対策。

「がんばれ!」でガンガンやりすぎて「勉強嫌いな生徒」を作っていなければいいと思います。

勿論、「できることに越したことはない」し、事実できる優秀な生徒には無駄はないですからね。

 

③小学校で、指数計算などが得意でも、中学校は抽象的な「数」の「学問」ですから、指導者の実力次第で「伸びる生徒」が決まってきます。

特に、「幾何学」が入ってきますからね。

むかしは高校で学習する内容を、カリキュラム上、中学で学習範囲に下げましたから、生徒たちは大変です。

ここが理解できないで、どんなに保護者がガミガミ注意してもどうしようもないです。

 

④中学校の先生の指導力が弱かったら、LEADESTなどでフォローが必要です。

実際に、指導が行き渡っていない学校があります。

一貫校に入学したのに、「また塾なの?」ですが実態です。

しかし、保護者としては何とか手を打たないといけませんね。「面倒見が良くて」しっかり「面談指導」をしてくれるところがいいですね。

営業的に調子がよいだけのところ、宣伝過多の塾は避けましょう。

学力をつける指導は地味なものです。

 

中学3年生が注意すべき5つのこと

①中高一貫校に入学したのは良いものの、「そのまま高校に進学させてもらえない学校」がありますね。

大学進学率を「売り」している学校はハッキリしていますね。

私立中高一貫校でも「成績が悪いから転校したら?」と勧められるケースがあります。

保護者としては「たまったものじゃない」ですね。

しかし、現実です。その逆で、進学率が高い学校に再受験です。

 

②なんといっても「英語」の学力アップが必須です。

この学年は「共通テスト」の3年目ですから、英語は「検定試験のスコア」が問題です。

スコアは簡単にアップしませんから「要注意」です。

検定試験は高3になってから2回の受験機会がありますが、そのうちの上位のスコアを使うことになっていますね。この方針は、「この学年までは変更しない」と、私は予測します。次の学年はわかりません。

英語4技能は、学校で対応するには大変です。

中高一貫校でも「学校差」があります。

すでに、生徒一人ひとりにブースを与え、実績を出している学校もあります。

皆さんの子弟が通われている学校はいかがでしょうか。CBTですが、時代の流れを認識していきましょう。

 

③首都圏の私立大学は、「共通テスト」への対応を「いま」発表していますが、4年後の「この学年」には、方針が固まっているでしょう。

そのあとからの対応は無理ですから、中3の夏からは、しっかり準備することを勧めます。

 

④意識して「教養」「知識」の積み上げをさせてください。

沢山本を読ませてください。新聞を読んで「考える習慣」をつけさせてください。

 

⑤皆さまのご子弟が、大学を卒業する時は、他国の人と一緒に仕事をする率が多くなるはずです。

「8年後から逆算」て職業選択・企業選択を考える必要があります。

どのような職業・会社に就職するのが最適か。結局、ご子弟の教養・知識・技術が、分岐点になるはずです。

その時になって慌てないような「覚悟と準備」が必要だと思います。

学力差が経済力の差になり、生活の格差になる社会だと予測しますから。