小論文対策 「測位衛星」と私たちの暮らし

今回は「小論文」や「理系の課題文」「英語課題文」として出題されるかもしれない「測位衛星」について考えてみたいと思います。

 

「測位衛星」といっても、なじみがない人がいると思いますが、スマホ・カーナビ・航空機・電子機器などを、「空からコントロールしている衛星」だといったら、分かりやすいですね。

 

私は、自動車のカーナビが親しみやすいです。

測位衛星の代表的なものが「GPS」ですね。

「アメリカの全地球測位システム」です。

これを中国の「北斗」が追いつき、追い越そうとしています。

 

 

測位衛星がどんな問題をはらんでいるかを考えてみましょう。

この観点で入試は出題されるでしょうからね。

 

測位衛星による覇権争い

「測位衛星」は、本来、軍事目的で開発されたものです。

だから、上空から撮影した画像を解析する力を持っています。

どこで、どんな施設があるかなんて、簡単に分析できる人工衛星です。

宇宙衛星が電波で写真を撮るのですから、隠しようがないです。

どんどん精密になっています。

 

中国の新型スマホ「Z6」では、誤差が1メートルで、近いうちに誤差が「センチメートル級」になると発表しています。

上空から、どこの道路を、何という車が、速度いくつで、どこに向かって走っているかを人工衛星で測定しているのです。ピンポイントで分析できますから、アメリカが北朝鮮の核施設の配備状況を知らないはずがありませんね。

みんなわかっちゃうんです。

 

日本の衛星「はやぶさ2」が、小惑星「リュウグウ」に到着し、異次元の世界で岩石をキャッチしているのですから、現在の科学技術は凄いです。この技術を軍事目的に使用するという発想は、当然出てきますね。

 

本来、軍事開発されたものを、一部が民間に開放しているだけですから、カーナビで「便利でいいな!」というレベルじゃないですね。私は「怖いな!」の方が先行します。まさに宇宙戦争です。

 

ちなみに、GPSで、EUもロシアもインドも「測位衛星」を、打ち上げていますが、中国は独自開発した「北斗」を2000年に発射しました。

報道によれば、いまや、GPSと北斗の「開発とシェアーの競争」が激しくなっているそうです。

 

「これまでの覇権大国」に挑戦する「新しい覇権大国」の争いです。

アメリカと中国の覇権争いは「貿易戦争」だけじゃないです。

「測位衛星」でも、激しく競い合っているのです。

 

宇宙を制したら、世界を支配できるのですから、莫大な投資をしているのです。

 

測位衛星の今後は

君はGPSを使って「スマホでゲームをしています」ね。

先日、高齢者が行方不明になったけれど「GPSを持っていたので事故にならなかった」という話がありました。

これが、「双方向の北斗の方が便利だ」という流れさえ生まれています。

数年後はどうなるでしょうか。

スマホでゲームを楽しみながら、その背景を理解していることが、入試では大切になります。

 

日本経済新聞の記事によれば、GPSよりも北斗の開発力が早く、世界の主要都市の上空には、この2つの測位衛星が絡みながら飛んでいるそうです。

GPSは北米・中南米が多く、北斗は中東・アフリカ・東南アジアが多いそうです。

 

19年6月末の北斗は35機、GPSは31機。

EUの衛星は22機・ロシア製は24機・日本製は4機・インド製は6機だそうです。

完全に日本は立ち遅れています。

日本という国家の将来を考えると、いろいろな不安が巻き起こっています。

 

パキスタンは軍の「測位システム」に北斗を取り入れたそうです。

本来、ミサイルの誘導など軍事目的で開発した測位衛星ですから、他国の動静を知り、自国の防衛に機能させるのは当然ですね。最近起こったカシミールの紛争も、このようなことと併せて考える必要があります。

また、チュニジアでは、首都で「無人トラクターのデモ行進」を実施したそうです。

すぐに、「無人の戦車の行進」がイメージできることが怖いですね。

 

測位衛星の平和利用という以前に、しっかり情報を集め、考えていくことが重要ですね。

日本の憲法と防衛問題が議論されています。

皆さんに直接かかわることです。サイバー攻撃などに悪用されると怖いですね。

受験勉強は、こうした世界の動き、「日本のこれから」と切り離してはいけないですね。

大学入試の「出題テーマ」になるでしょう。

小論文・ディベート・英語の課題文などで、「宇宙」「衛星」「地域紛争」というテーマのかたちになりますが・・・